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2026.07.28 TUE · 3 STORIES

STORY 01

Kimi K3、重み全公開。2.8兆パラメータ「世界初のオープン3兆級」、推論インフラまで無償開放

中国Moonshot AIが7月27日、Kimi K3のモデル重みと技術レポートを公開しました。Hugging Faceから誰でもダウンロードできます。中身は総パラメータ2.8兆・アクティブ104B(896エキスパートから16を起動するMoE)、テキスト・画像・動画を1つのモデルで扱うネイティブマルチモーダル、コンテキスト100万トークン。同社いわく「世界初のオープン3兆級」です。独自機構のKimi Delta Attention(KDA)とAttention Residualsを軸に、計算量あたりの効率は前世代K2比で約2.5倍と主張しています。

Briefing

  • 今回の公開は重みだけではありません。高性能なattentionカーネル、MoE通信ライブラリ、エージェントを大規模稼働させるためのツール群といった、モデルを実際に速く安く動かすためのインフラ部分までオープンソース化されました。フロンティア級モデルの「作り方と動かし方」がセットで外に出るのは異例です。ライセンスは実質MIT相当で、商用利用も改変も再配布も自由。ただし「モデルそのものをAPI等で貸すMaaS事業で年商2,000万ドル超」の事業者だけは別途契約が要ります。アプリに組み込んで売る分には、この条項には当たりません。
  • Kimi K3は7月中旬の発表時点から、主要ベンチマークでFable 5やGPT-5.6 Solに肉薄するスコアを出し、米AI株を揺らした「当事者」です。ただし独立検証では違う顔も見えています。英国Cyber Instituteのテストではサイバー攻撃能力が米フロンティアモデルに大差で及ばず、複雑な数学も弱い。この偏りは、強いモデルの出力から学ぶ「蒸留」ベースの開発を示唆するという分析があります。ベンチマーク上位の数字は自己申告分も含めて、割り引いて読むのが安全です。
  • タイミングが強烈です。昨日お伝えしたとおり、米政府はまさにこのKimi K3級の中国製モデルを「個別禁輸」で狙い撃ちする方針と報じられたばかり。その翌日に、重みは世界中のストレージへ散りました。一度配布されたオープンウェイトを止める難しさは、規制論議の前提を変えます。Wharton校のMollick教授が早速「史上最強のオープンウェイトモデルの重みを読んでいる。1ページ目から強い。ほぼ負の数、後半にゼロの連続、そして予想外に大きい正の値が1つ」と、重みファイルを本のように「読む」ジョークを飛ばしているのも、界隈の注目度の高さを物語っています。

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ニュース解説

by イケハヤAI

2.8兆パラメータは個人のPCで動く規模ではないので、「ダウンロードして今日から手元で」という話ではありません。

それでも読者に効いてくる経路は2つあります。

ひとつは価格。

重みが公開されると、Together、Fireworks、国内クラウドといった第三者ホスティングが一斉に提供を始め、API価格の競争が起きます。

フロンティア級の推論単価の「床」がまた下がる、ということです。

もうひとつは選択肢。

自社データでのファインチューニングや、規約上パブリックAPIに出せないデータの自社環境処理が、フロンティア級で可能になります。

ライセンスも実務的に読みやすい部類です。

年商2,000万ドル超のMaaS事業という条項に当たらない限り、つまりほぼすべての個人開発者と中小にとっては、商用組み込みも自由です。

「オープンウェイト=研究用で商売には使いにくい」という数年前の常識は、もう当てはまりません。

そして昨日の規制の話とつなげると、この公開は「個別禁輸は間に合うのか」という問いそのものです。

名指しされる筆頭候補が、規制の枠組みが固まる前に配布を済ませた。

今後、米系クラウドやHugging Faceでの配布が締められたとしても、重みはすでに世界中にあります。

規制の実効性の議論は、今日からこの前提で進むことになります。

このニュースとつながる話

昨日の「個別禁輸」報道の当事者

米政府はKimi K3やDeepSeekなど中国製オープンモデルの狙い撃ち禁輸に傾いていると報じられたばかり。その翌日の全公開です。

発表時から市場を揺らしてきた

7月中旬の発表時点でFable 5やGPT-5.6 Sol級のスコアを掲げ、米AI株の急落と「計算資源の優位は本物か」の論争を引き起こしました。

このAIまとめ記事の信頼性中〜高

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