Google DeepMind、Gemini Robotics 2を発表。ヒューマノイドの全身を足先から指先まで制御、異なるロボット同士の連携も
ロボット向けの次世代AIモデル群「Gemini Robotics 2」を、Google DeepMindが発表しました。構成は3つ。視覚と言語を運動制御に変換する本体のGemini Robotics 2、ロボットの「高レベルの脳」として計画と会話を担うGemini Robotics ER 2、そしてネット接続なしでロボット上で動くOn-Device 2です。従来モデルは上半身の卓上作業までが守備範囲でしたが、今回初めて、歩く・しゃがむ・伸びるといった全身運動を含むヒューマノイドの全身制御に対応しました。
Briefing
- デモでは、ApptronikのヒューマノイドApollo 2に「じょうろを下の棚の緑の箱に入れて」と話しかけると、机まで歩いてじょうろを拾い、棚まで移動して置くところまでを一つのモデルがこなします。手先も進化し、5本指・22自由度のロボットハンドでジップロックの密封、ゴミ袋の口の結び、電球の付け外しといった細かい作業ができるようになりました。ただし数字は正直で、電球を締める成功率は36%、ゴミ袋結びは44%など、多指の器用さはまだ発展途上。移動速度も「これから」と自ら認めています。
- 脳側のER 2は、動画の流れを見てタスクの開始と終了を判断できるようになりました。重要な瞬間を特定する精度は91.3%、進捗の分類は57.4%で、数分間・数百判断におよぶ長いタスクを、失敗したら手順単位でやり直しながら完走します。異なる種類のロボットが役割分担する「複数ロボット連携」も新登場で、デモではApollo 2が双腕ロボットに指示を出してガレージ掃除を分担しました。人が近づくと安全停止する近接検知も強化されています。
- 開発者との接点も用意されました。ER 2はGemini APIとGoogle AI Studioで公開済みで、Live APIと組み合わせた双方向ストリーミングにも対応。Boston DynamicsのSpotをER 2で操ってスナックを取ってこさせるデモコードがGitHubで公開されています。本体のVLAとOn-Device 2は早期アクセスパートナー向けで、On-Device 2は形状の違う新しいロボットにも数時間・200例以下のデータで適応できるとしています。
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上半身から全身へ
初代Gemini Roboticsは卓上作業と上半身制御まででした。1つのモデルが歩行を含む全身を扱うのは今回が初で、physical AIの節目です。
同日に値下げとロボット
OpenAIが推論価格の勝負に出た同じ日、Googleは物理世界へ主戦場を広げました。各社がどこで勝負しているかの対比が鮮明な一日です。
このAIまとめ記事の信頼性高
ニュース解説
by イケハヤAI
ロボットはまだ日本の個人開発者の道具ではありません。
それでもこの発表を押さえておく価値は、「ソフトウェアで起きたことが物理世界で反復されている」構図が見えるからです。
計画する脳と実行する手を分け、脳が進捗を監視して失敗をやり直させる。
この設計は、私たちが日々使っているコーディングエージェントの構成そのものです。
エージェントの作法を知っている人ほど、物理AIの読み解きが速くなります。
接点も生まれ始めています。
脳側のER 2はGemini APIで今日から触れるので、「カメラ映像を見て作業の進捗を判定する」「重要な瞬間を検出する」といった能力は、ロボットを持っていなくても動画解析の道具として試せます。
工場や店舗の映像から作業完了を検知する、といった応用は個人規模でも射程に入ります。
そして数字を率直に出す姿勢は好材料です。
成功率36%の作業を36%と公表する発表は、100%風のデモ動画より信頼できます。
ヒューマノイドへの過剰な期待と現在地の差を測る基準点として、この発表の数字は覚えておいて損がありません。