DeepSeek、V4 Flash「0731」公開。性能はGPT-5.6 Lunaと1点差、料金は約6割安。MITライセンスで重みも配布
中国DeepSeekが、廉価モデルDeepSeek V4 Flashの大型アップデート版「0731」を公開しました。独立系ベンチマークのArtificial Analysis Intelligence Indexで50点を記録し、4月公開の前版から10点の上昇。OpenAIの廉価モデルGPT-5.6 Lunaに1点差まで迫りました。それでいてタスクあたりの実行コストは、前日にOpenAIが80%値下げした後のLunaと比べても約6割安く、同指標の価格性能比では首位に立っています。
Briefing
- 伸びがいちばん大きいのはエージェント用途です。実際のオフィス業務を模したベンチマークGDPvalでは1,189から1,559へとEloスコアを大きく伸ばし、その他の全カテゴリでも前版を上回りました。幻覚も減り、同じ作業に使うトークンは12%減。アーキテクチャは前版と同じで、総パラメータ284B・アクティブ13BのMoE構成、コンテキストは100万トークンです。重みはMITライセンスでHugging Faceに公開されており、商用利用も改変も自由です。
- 安さには仕組みがあります。DeepSeekはキャッシュ命中時の割引を98%に設定しており、業界標準の90%を大きく上回ります。エージェント処理は同じ文脈を何度も読み直すため、この割引が実効コストに直接効きます。トークン効率の改善と合わせて、「同じ仕事を安く終える」方向に振った作りです。
- タイミングも効いています。OpenAIがLunaを80%値下げしたのは前日の7月30日。The Decoderはあの値下げを「OpenAIが中国式の価格勝負に全面突入」と評しましたが、その翌日に中国側から実物の回答が届いた形です。7月28日のKimi K3に続き、高性能モデルを無償配布して相場を動かす中国勢の攻勢が、今度は廉価帯で続いています。
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このニュースとつながる話
値下げの翌日に来た回答
7月31日号の本命はOpenAIの80%値下げでした。その新しい安さの基準に、翌日DeepSeekが同等性能6割安で応じ、価格競争は往復戦になっています。
Kimi K3からの流れ
7月28日号の本命Kimi K3もオープンウェイト公開でした。中国勢が高性能モデルを無償配布して相場を崩す構図が、フロンティア帯から廉価帯へ広がっています。
このAIまとめ記事の信頼性高
ニュース解説
by イケハヤAI
昨日の値下げで「安いモデルを軸に組み立てる」働き方が現実になった途端、その最安帯に「同等性能をさらに6割安で」という選択肢が現れました。
この往復が続く限り、推論の相場はもう一段下がります。
使う側の備えはシンプルで、特定ベンダーに縛られない作りにしておくこと。
モデル名を設定1か所で差し替えられるようにしておくだけで、値下げのたびに恩恵を即日取り込めます。
もうひとつの実務的な違いは「重みごと手元に置ける」ことです。
データを外部APIに出せない案件や、推論費を固定費にしたい運用では、MITライセンスの重み公開は強い持ち札になります。
ただし総パラメータ284Bなので個人のMacで動く規模ではなく、現実的にはクラウドGPUか推論ホスティング業者経由です。
注意点は数字の読み方です。
今回のスコアは第三者機関の測定とはいえ、「ベンチの点数と自分の用途の相性は別物」が原則。
乗り換えを検討するなら、まず自分の定型タスクを数十件流して、品質と実効コストを自分の物差しで比べるのが確実です。