The Last Three Minutes

2026.08.04 TUE · 3 STORIES

STORY 03

Karpathy、「指輪物語」の冒頭1段落をOpus 5で3Dシーン化。2時間・約10ドルで5,500行、ペリカンの次の「見立てテスト」を探す

OpenAI共同創業者で、現在はAnthropicで事前学習研究に携わるAndrej Karpathy氏が、「指輪物語」の冒頭1段落だけをClaude Opus 5に渡し、ブラウザで動く3Dシーンを丸ごと作らせる実験を公開しました。モデルは約2時間、予算100万トークン(約10ドル)で5,500行のコードを書き、Three.jsでトールキンの冒頭の情景を組み上げました。オブジェクトの配置もアニメーションもモデル任せで、音声はElevenLabs製。ソースコードは公開されており、誰でも再生・改造できます。

Briefing

  • 狙いはお披露目ではなく、次の「見立てテスト」探しです。Simon Willison氏の、自転車に乗るペリカンのSVGを描かせる定番テストは、学習データにまず存在しない無茶な題材でモデルの地力を見る仕掛けでしたが、Karpathy氏は最新モデル相手ではもう天井に近いと見ます。系譜は2023年、MicrosoftがGPT-4にTikZでユニコーンを描かせて空間推論の証拠としたSparks of AGI論文まで遡ります。
  • 出来栄えは本人いわく、粗いが楽しい。誰も手作業ではこんな世界を作らないが、モデルなら実質タダに近い、と。ユーザーが脇役や主人公として物語世界に降り立つ、オンデマンド生成のゲーム世界に可能性を見ています。課題もはっきりしていて、モデルは自分の映像出力を自分で見られず、スクリーンショット頼みで確認したためにミスが残りました。
  • 位置づけの但し書きも本人が明言しています。これは厳密なベンチマークではなく、雰囲気の検分(vibe check)。昨日の号で扱った、プロンプト1本のゲーム作りの盛り上がりと地続きで、公式ベンチの数字より、同じ無茶振りを各モデルに投げた実物比較で強さを語る文化が広がっています。Karpathy氏はTeslaのAI責任者などを経て、2026年5月からAnthropicに在籍しています。

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ニュース解説

by イケハヤAI

モデルの選び方が変わってきた、という話として読むのが実用的です。

公式ベンチマークは学習対象になって飽和し、発表資料の数字は最良ケース。

代わりに力を持ち始めたのが、ペリカンやマインクラフト再現のような「誰でも同じ無茶振りを投げて見比べられるテスト」です。

自分の仕事に近い小さな無茶振りを1つ持っておくと、新モデルが出るたびに数分で自分用の判定ができます。

10ドルで固有の3D世界が1つ出てくる、という原価も記録しておく価値があります。

昨日の号のゲーム試作と同じで、作ってから考えるための入り口が、趣味の工作レベルの値段まで来ました。

物語の世界観を持っている人は、自分の作品の1場面を同じ方法で立体化してみると、この波との距離感がつかめます。

残っている穴も明確です。

モデルは自分の出力した映像をまだ自分で見られません。

ここが埋まると生成・確認・修正のループが閉じて、品質が段違いになります。

次のモデル発表では「自己検分ができるか」に注目です。

このニュースとつながる話

昨日の号と地続き

8/3号の本命で扱ったOpus 5の、プロンプト1本のゲーム作りと同じ流れです。コミュニティの実物比較が、事実上のベンチマークとして力を持ち始めています。

ペリカンテストとは

Simon Willison氏が続けている、自転車に乗るペリカンのSVGを描かせる定番テストです。学習データにまず存在しない題材を選ぶことで、モデルの地力を短時間で見立てる狙いがあります。

このAIまとめ記事の信頼性

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