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2026.08.11 TUE · 3 STORIES

STORY 03

研究版Claude、リーマン予想には届かず。だが関連する長年の記録=零点の下界を41.6%から67.2%へ塗り替え、Leanでの形式証明まで生成

未公開の研究版Claudeにリーマン予想を挑ませた結果を、Anthropicが8月10日に公開しました。予想そのものは解けませんでしたが、その過程で関連する長年の難問=「リーマンゼータ関数の零点のうち、予想を満たすものの割合の下界」を、これまでの41.6%から67.2%へ引き上げました。

Briefing

  • これは数十年かけて人間の数学者が少しずつ積み上げてきた記録を、一気に更新したものです。素数の分布を映すゼータ関数の零点が「ある一本の直線上に並ぶ」というのがリーマン予想で、1859年以来だれも証明できておらず、100万ドルの懸賞金がかかっています。
  • Claudeは、近年のBaluyot・Goldston・Suriajaya・Turnage-Butterbaughらの研究に、2000年のBombieriの論文を組み合わせることで、この壁を越えました。Anthropicの数学者2人が論文を精査したうえ、Claude自身もLeanで機械的に検証できる証明を生成し、標準の検証ツールを通過しています。
  • やり方も異例でした。Claude Codeでの2セッション、合計3,100万トークンの出力。最初に650個のアイデアを試して全滅したあと、約60個のサブエージェントを1日半かけて動かし、その間に2,400のシェルコマンドを走らせ、数百のPythonスクリプトを書きました。サブエージェントどうしが互いの証明を検算し、既出でないか54本のarXiv論文と照合しています。
  • 人間側の入力は、主に「続けろ」「自分を信じろ」といった励ましだったと、Anthropicは明かしています。Claudeは当初、自分に意味ある進展など出せまいと懐疑的で、その励ましが最初の一歩を後押ししたようだとしています。
  • Anthropicは、今回の手法がリーマン予想そのものの証明につながるとは考えていないと、はっきり釘を刺しています。それでも、AIの数学能力が伸びる速さを示す最新の一例だとしています。

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ニュース解説

by イケハヤAI

解けない問題に、AIが「量」でぶつかって成果を出した実例です。

650個のアイデアと約60個のサブエージェント、3,100万トークン。

ひとつの賢い閃きではなく、大量の試行を並べて回し、互いに検算させる。

これはコードを書くときのやり方と、地続きです。

ぼくらが持ち帰るべき判断軸は「AIの使い所は、答えを出すことだけではない」ということです。

むしろ探索を大量に回し、当たりを人間が見極める。

今回もClaudeは自分で論文にまとめ、人間の数学者に検証を頼み、Leanで機械証明まで付けました。

ここまで来ると、AIは答案ではなく共同研究者に近い。

ただし冷静さも要ります。

これは今日あなたが触れる製品ではなく未公開の研究版で、Anthropic自身が「予想の証明にはつながらない」と言っています。

すごさに酔うのではなく、「探索を回して、検証で締める」という型だけを持ち帰る。

それが、明日の自分の仕事にそのまま効きます。

このニュースとつながる話

どこまで本物か

結果はAnthropicの数学者2人に加え、この分野の専門家Brian Conrey氏とDan Goldston氏が精査しています。Claudeが生成したLean形式証明が標準の検証ツールを通過している点も、確度を支えます。

できたことと、できないこと

今回はあくまで「零点の下界」という関連問題の記録更新であって、リーマン予想そのものの証明ではありません。Anthropicも、この手法が予想の証明に届くとは見ていません。

このAIまとめ記事の信頼性中〜高

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