The Last Three Minutes

2026.08.17 MON · 3 STORIES

STORY 02

Codexで100万トークンの文脈窓を有効にする公式手順が公開。開発責任者がconfig.tomlに書く3つの設定を明示し、GPT-5.6 Solの公称105万トークン窓を全開にできる。「既定値は性能とコストの均衡で丁寧に調整してある」という添え書きつき

「もっと大きな文脈窓で使いたい」という定番の要望に、公式の答えが出ました。OpenAIのCodex開発責任者Tibo氏(@thsottiaux)が8月17日朝(日本時間)、Codexで100万トークンの文脈窓を有効化する手順をXで公開。GPT-5.6 Solは公称1,050,000トークンの文脈窓を持ちますが、Codexの既定値は性能とコストの観点から意図的に絞られています。「よくある要望なので、正式に文書化した」という位置づけです。

Briefing

  • 手順は3行です。~/.codex/config.tomlの冒頭([section]ヘッダより前)に、model = "gpt-5.6-sol"、model_context_window = 1000000、model_auto_compact_token_limit = 900000 を書き、Codexを再起動して新しいセッションを開始する。3つ目の設定は約90万トークンに達した時点で履歴の自動圧縮を始める余白の確保です。既定値を変えずに1回だけ試したい場合は、codex -m gpt-5.6-sol に -c フラグで同じ2項目を渡せば、そのCLIセッションだけ有効になります。
  • 何が変わるかというと、Codexが「古い履歴を要約して畳む」前に保持できるコード・ツール出力・会話履歴の量が増えます。大規模リポジトリを横断する修正や、長い調査セッションで文脈が切れにくくなるのが利点。一方で入力トークンが増えるぶん1リクエストのコストは上がり、応答速度にも影響しえます。投稿の締めくくりは「楽しんで。ただし既定値は丁寧に調整してあることも知っておいて」。常用設定の載せ替えではなく、必要な場面で入れるスイッチという含みです。
  • 100万トークン級の文脈窓は、この夏の各社の主戦場のひとつです。8月15日の号で伝えたQwen3.8は26万2,000トークンをYaRNで100万まで拡張でき、Gemini系も100万窓を売りにしています。Codexまわりでは利用枠のリセット、恒久値下げ、14倍速のUltrafastと物量の施策が続いており、今回は「記憶の量」の開放。なおTibo氏は前日、「トークン単価の横並び比較は無意味」という論考も投稿しています。モデルごとにトークナイザが異なり、同じ100万トークンでも中身の情報量が違うためです。

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ニュース解説

by イケハヤAI

今日から使える直球なので、まず「効く場面」を見極めてほしい数字です。

ぼくの読みでは、日常のコーディングの大半は既定値で足ります。

この設定が効くのは、リポジトリ全体を頭に入れたまま長時間動いてほしい場面。

たとえば大規模な移行作業、複数モジュールを跨ぐリファクタリング、ログを大量に読ませる障害調査です。

逆に小さなタスクで常用すると、入力課金がかさむだけで恩恵は薄い。

「必要な日だけスイッチを入れる」が正解だと思います。

注目したいのは、公式が自動圧縮の開始点(90万トークン)までセットで示したことです。

文脈窓は大きいほど良いわけではなく、限界まで詰め込むと肝心な指示が薄まって精度が落ちるのは、長いセッションを回した人なら誰でも知っている現象。

「窓は100万に広げるが、圧縮は90万から始めて余白を残す」という設定の組みは、ベンチマークの数字ではなく実運用から出てきた知恵です。

自分のエージェント環境を持っている人は、この余白の思想ごと真似する価値があります。

もうひとつ、「既定値は丁寧に調整してある」という一文を軽く読まないほうがいい。

各社が文脈窓の大きさを競う中で、OpenAIはCodexの既定をあえて絞り、開放の手順は文書化して渡す、という運用を選びました。

性能自慢の数字と、日々の道具としての最適値は別物だという線引きです。

カタログスペックと既定値がずれているときは、たいてい既定値のほうが実戦の答えに近い。

道具選びぜんぱんに効く教訓です。

このニュースとつながる話

同じ週末の「トークン単価論」

Tibo氏は前日、モデルごとにトークナイザが違うため100万トークンあたりの価格比較は当てにならない、という論考も投稿しています。窓の大きさもトークン単価も、額面の数字だけでは比べられないという同じ教訓です。

Codex強化の流れの中で

8月14日の号で伝えた14倍速のUltrafastに続く、Codex体験の増強策です。利用枠リセット、恒久値下げ、速度、そして今回の文脈窓と、開発者の道具としての物量が段階的に積み上がっています。

このAIまとめ記事の信頼性

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