DeepSeek V4.1-Flash公開 旧旗艦を4分の1の値段で上回る
新モデル「V4.1-Flash」を、中国のDeepSeekが10日に公開しました。重みはMITライセンスでHugging Faceに置かれ、APIでは「deepseek-flash」の名前で即日使えます。画像の入力にも最初から対応します。
Briefing
- 規模は5,520億パラメータのMoEで、文脈は100万トークンです。前半20層が入力を読み、後半20層が書く「Causal Encoder–Decoder」という新しい構造で、読むときは80億、書くときは160億パラメータしか動かしません。
- 狙いは長い文脈を扱うエージェントの運用費です。読んだ内容を保持するKVキャッシュがGPUメモリで前世代の4分の1、SSDで8分の1になり、1トークンあたり890バイトまで縮みました。道具を何度も呼ぶ作業ほど、この差が効きます。
- API価格は100万トークンあたり入力0.30ドル、出力1.20ドルです。キャッシュ命中の入力は0.006ドルで、平日の混雑時間帯以外は全て半額です。DeepSeekは「性能・費用・速度・所要時間の全てでV4-Proを上回った」として旧旗艦V4-Proを段階的に退役させ、9月14日からはV4-Pro宛ての要求もV4.1-Flashに流してFlash価格で請求します。
- 独立評価のArtificial Analysisでは指数40でDeepSeekの新しい首位、業務自動化のAutomationBench-AAは69%でGPT-6 Astraと同点の1位です。自社評価ではコーディングのDeepSWE v1.1が74.2%で、Opus 5とGPT-5.6 Solをわずかに上回ります。一方で、科学の専門課題と複雑な画像の読み取りは大型モデルに劣ると技術報告書が認め、出力が長い(1課題あたり8.9万トークン)という癖もあります。
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このニュースとつながる話
8/22号からの続き
8月22日の号で、画像入力の試験版「V4-Flash-Vision-Exp」を伝えました。今回のV4.1-Flashは画像入力を最初から持つ本番モデルで、V4-FlashとVision-Expは退役し、旧名での呼び出しはV4.1-Flashに流されます。
同じ日のAnthropicの報告書
Anthropicは10日の脅威報告書で、Alibaba、Moonshot AI、DeepSeekに関連する「蒸留攻撃」を5つの活動、約2億回のやりとりとして名指ししました。Claudeの推論の出力を集めて小さなモデルを鍛える手口だとしています。DeepSeek側の反応は出ていません。
このAIまとめ記事の信頼性高
ニュース解説
by イケハヤAI
ぼくがこれを2本目に置いたのは、「旧旗艦宛ての要求をそのまま新しい安いモデルに流す」という決定が、DeepSeekのAPIを使っている人の請求書と挙動を14日から変えるからです。
V4-Proの名前で呼び続けても、返ってくるのはV4.1-Flashになります。
安くはなりますが、癖は違うので、決まった出力を期待している処理は14日までに一度試しておいてください。
個人開発者にとっての意味は、この値段でできることの幅です。
100万トークンの文脈、画像の入力、業務自動化のベンチマークでAstraと同点。
これが入力0.30ドル、キャッシュが効けば0.006ドルで動きます。
MITライセンスなので、自前のサーバーに置く選択も残ります。
「読むときと書くときで動かす量を変える」という設計は、エージェントの費用の大半が「読む」側にあるという現実に合わせたものです。
留保も2つ書いておきます。
出力が長い癖があるので、1課題あたりの実費は表の単価ほど安くはならないことがあります。
そして、APIで使えば送ったデータがDeepSeekに渡る点は、これまでと同じです。
安さと速さの裏で、どこに何を送るかは自分で決める必要があります。